ワン

今日は家事が捗る。家事と言っても会社の寮暮らしなのでご飯も作らないし、トイレや風呂掃除もしなくて良い。私にとっての唯一の家事は部屋掃除と洗濯である。数少ない家事のうち、今日は洗濯が捗るのだ。最近新しく柔軟剤を購入したのだが、これがまあ良い匂いなのである。部屋にある洗えるもの全てを共有の洗濯機にぶち込む。共有の洗濯機は自慢ではないがかなりの年季が入っていてほこりだらけ。洗えば洗うほど誰かの衣類からでてきたほこりにまみれる。きれいになっているのか汚れているのかもはや分からない。そんなことも気にしなくなるほど柔軟剤の香りが良い。2週間おきの支給で洗濯の必要のない布団カバーやシーツまで洗い出すのだからこれは驚いた。狂ったように洗濯をし、床で寝転がることができないほど小さな部屋に干すと部屋に入るたびに強烈な良い匂いに襲われる。そろそろ部屋干しが気持ちよくできる広い部屋に引っ越したいものだ。ワンルームどころか、キッチンもトイレも風呂もないワンの部屋に住む者、こうして物件探しを始めるのである。